N極の指す場所

地図に描かれている真北と、方位磁石が向いている北(磁北)にはズレが生じることがある、ということは説明しました。

そして実は、磁石というものは、必ずしもこの地球の真北(地軸の北方向)とされる方向を向いているわけではないとされています。

これは、地球には北方向だけに磁力が働いているわけではないということによります。

地球という物体は、それ自体がひとつの巨大な磁石であるとも言われているように、実は、地球上のどの場所でも磁性が発生しているということが知られています。

この、地球特有の磁石的な性質を「地磁気」と呼びます。

この地磁気というものは、緯度が高いほど磁力が高まる性質があるようです。

つまり、地軸においては北へ向かえば向かうほど、あるいは南へ向かえば向かうほど、地磁気は強くなるということです。

そして、この地磁気が最も強まり、その方向性が最終的に行き着くとある二つ地点、これが「磁極」と呼ばれるものです。

北にある磁極が北磁極、南にあるものが南磁極であり、地磁気はこの2地点へ向かって収斂していく傾向があるようです。

しかし、なんとこの北磁極と南磁極をつなぐ、いわゆる磁軸とよばれる一本の線は、地軸(北極と南極を繋ぐ地球の回転軸)と比べてズレて傾いているのです。

つまり、地軸と磁軸は一致しないため、方位磁石が向く北の方角である「磁北」と地軸が示す「真北」は合致しないことになります。

地図や地形図には、この磁北と真北のズレた角度(偏角)を記述していることがあります。

また、この地磁気というものは、実は観測する地域によっては計算以上にズレを生じる場合があります。

地球というものは中心部へ向かうほどマグマなどの様々な要素があるため、これらの物質的要素が磁力を不安定にさせることもあるようです。